バイオリン・ビオラの演奏に大きくかかわる肩関節は、全身のなかで最も複雑で特異な関節です。鎖骨肩甲骨上腕骨の3つの骨が出会う、5つの関節の複合体です。

普通 関節は、靭帯により保持されています。
しかし肩関節だけは、筋肉群により保持されています。結合が浅く、可動域が大きいのです。反面、安定性が低く、故障しやすいという難点があります。二足歩行になり手を複雑に使うようになったからです。

バイオリン・ビオラをすいすい弾くためには肩関節の動きがなめらかでなければなりません。動きのパターンは(医学的に)4通りあります。苦手なパターンがないかチェックしてみましょう。 

①前後の動き(屈曲・伸展)
歩いたり走ったりするとき、腕を振る方向です。

♪上腕が体側より後方へスムーズに行きますか?

②上下の動き(外転・内転)
鳥が羽を広げたり閉じたりする方向、ラジオ体操第一の冒頭の動きです。

♪腕を上げるとき、途中で引っ掛かりなく頭上まであがりますか?

③左右の動き(内転・外転)
腕を水平にして、前で交差したり、真横へ開いたりする動きです。

♪腕は、真横より後方へ行けますか?

④上腕を、骨を芯にして回転させる動き(外旋・内旋)
軽くヒジを曲げて、左腕を外旋、右腕を内旋させると、バイオリンを弾くときのポーズになります。
大人の初心者さんは上腕が左右対称になります。左は外旋、右は内旋、を意識しましょう。
このとき胸郭は左右対称に保たれるようにしてください。肩関節が分岐点です。

♪バイオリンを弾くポーズを、左右反対にしてみましょう。
♪左右反対のポーズを、行ったり来たりさせてみましょう。

2021.03.08 腕と胸の境目はどこでしょう?