枚方のバイオリン工房で、半年に1回のバイオリンの毛替えをしてきました。本体の点検もしてもらいましたが、とくに問題ないとのこと。指板の高さ・厚みがぺたんこ目なのですが、当面大丈夫との診断でした。

今回の訪問はもうひとつ大事な目的がありました。分数バイオリンの顎当てです。ストックしていた低い顎当てがなくなってしまったので、9月にビオラの毛替えに行った際、何点か依頼をしていました。手持ちの1/4を削ってほしいこと。1/8 と 1/2 の低い顎当てを探してほしいこと。

分数バイオリンの顎当ては高すぎることが多く、ほとんどの生徒さんに低めのタイプをつけてもらっています。居心地の悪さを説明できない小さな子供は、顎当てを変えただけで練習への意欲が変わることもあります。

枚方のバイオリン工房では、わたしの要望の本質を、いつも的確に理解してくれます。預けていた 1/4 の顎当ては、理想どおりの仕上がりでした。1/8 と 1/2 も、理想に近いものを準備してくれていました。

枚方の工房へ行くときは、いつも質問をためていきます。今回尋ねたのは、

①分数バイオリンの弦が太くて、テールピースの溝に入らない時どうするか?

小振りのラジオペンチで、弦を楕円につぶすといいそうです。これまで弦が溝に入らなかったときは、布の部分をこすりとって薄くしていましたが、それより弦をつぶす方がいいとのこと。
適した工具も見せてくれました。それはペグ穴に弦を通すときも便利だそうです。私はピンセットをいつもバイオリンケースに入れていますが、その工具の方がやりやすそうでした。

②新しい弓の毛が、途中の同じ位置で、何本も切れる理由は?

虫だそうです。
虫だと思ってました。ほかに原因が見当たらないので。

2025. 弓の毛を虫にかじられたときの対処法 coming soon

③弓のラッピングに、ビニールを被せておいたほうがいい理由は?

弓が売られるとき、ラッピングの部分はビニールが被せてあります。そこが汚れないためです。シルバーなので、空気にふれ手垢がつくと黒ずみます。しかし「ずっと被せっぱなしの弓が多いのは何故?」と疑問でした。

教室で生徒の弓がそうなっていたら、時間があればビニールを取ってあげます。指は、ビニールに触れるより、ラッピングに触れるほうが心地よいだろう、と思うからです。

販売時にお店の人が取らないのは、単にめんどくさいか知らないだけとして、他の教室から移ってきたり、何度も毛替えされているだろう弓にもビニールが張ってある。

わたしが理解していない事情があれば知りたかったのですが、とくに無いようでした。


「金属アレルギーの人には(ビニールを取ると)よくないんじゃないでしょうか」と職人さん。そう、バイオリンの世界でも、金属アレルギー対応のフィッティングパーツ(顎当てなど)が売られています。
「プラスチックにアレルギーがある人もいます」と私。バイオリンと関係ない友人の事例を2つ紹介。
どこまでも深掘りしてしまう2人でした。

バイオリン工房のあとは、近くの洋食屋さん「きたら」でランチ。
職人さんの子供は「ここのハンバーグは世界一おいしい!」と言うのだそうです。クリームコロッケをいただいたので、ハンバーグは次の機会に。