2024.06.26 追記
クロサワバイオリン大阪梅田店の店頭でフィッティング(調節)してもらってから買うと安心です。
当教室の生徒さんはレッスンにお持ちいただければ調整します。予備の部品もあります。
ビオラ用も改良され使い心地がよくなりました。
23.5cmの芯棒(ロッド)が付いていますが、40.5以上のビオラには短くて使えません。40以上のビオラをお使いの方は、買うとき長い芯棒を頼んでください。
バイオリン・ビオラのブリッジ型 肩当ての悩みは、
・高さを低くしたい
・幅をもっと細かく調整したい
・軽くしたい
の3点だと思いますが、HAYATEは構造的に、それら全てに応えることができます。
存在感の薄い肩当てで、響きもマッハワンに劣りません。ちなみにマッハワンは50g、HAYATEスタンダードは45gです。
(1)バイオリン肩当てHAYATEが買えるお店
(2)分数バイオリンとビオラ
(3)幅の調節方法
(4)ロッド(芯棒)とパッドの長さについて
(5)高さの調節方法
(1)バイオリン肩当てHAYATEが買えるお店
2023年6月現在の HAYATEが買えるお店です。
① 製造メーカー
② クロサワバイオリン大阪梅田店
③ クロサワ楽器オンラインショップ
④ JEUGIAオンラインストア
⑤ JEUGIA バイオリン取扱い店舗(三条本店・久御山店など)
購入にあたって注意すべきこと1
HAYATEは幅や高さの調節をするのが難しい肩当てです。(当教室の生徒さんはレッスンで調整します。)
工作が得意な方、たとえば「ペグが戻ったときの調整」や「駒の傾きの調整」を難なくこなす方であれば、難しくないでしょう。しかし自分でできるか不安で、且つ、バイオリンの先生やアマオケの友人など 身近に助けてくれる人がいない場合は、②の店頭で買うのがお勧めです。
購入にあたって注意すべきこと2
2023年12月より 5mmの「高さ調整用 金具」が付かなくなりました。HAYATE購入時は 5mm金具も合わせて手に入れることをお勧めします。(セットに入っているか購入前に確認して、なければオプションとして頼みましょう。)
詳しくは(5)高さの調節方法 をご覧ください。
購入にあたって注意すべきこと3
2022~2023年秋に出荷されたものはロッド(芯棒)が20cmで、幅が大きいバイオリンには合いません。メルカリなどで買う場合は注意。
HAYATEに限らず、バイオリン・ビオラの肩当てを選ぶときは、自分の楽器で試奏して買いましょう。お店にあるバイオリンを借りることもできますが、楽器が違うと感触が変わります。
(2)分数バイオリンとビオラ
◆分数バイオリン
フルサイズバイオリン用のHAYATEは、分数バイオリンにも使えます。
3/4、1/2の生徒さんで HAYATE に切りかえた全員(6人)が、使用感に満足されています。
1/4は調整ぎりぎりですが、サイズ的には使用可能です。ただフィッティングが成功したのは1人、フィットしなかった(使用感が悪かった)のは2人です。
具体的な調整方法は、実物を手にするのが一番(手にすれば分かる)ですが、(3)幅の調節方法 と(5)高さの調節方法 に記載しています。
高さを低くするための金具の追加購入が必要なこともあるので、特に(5)高さの調節方法 は購入前にお読みください。
1/4~1/8用として HAYATE kids という製品がありますが、お勧めしません。1/2以上であれば、大人用スタンダードがいいと思います。
kidsとスタンダードの違いはパッドの長さのみで、ほかは同じです。
◆ビオラ
ビオラ用は、初期のタイプは使い心地が悪かったのですが、改良されました。
kids用もビオラ用も、いずれもクロサワバイオリン大阪梅田店で試弾できます。
(3)幅の調節方法
バイオリン肩当てHAYATEは、幅を小刻みに調節することができます。
肩当ては、高さを小刻みに変えられることより、幅を小刻みに変えられることの方が大事です。
一般的な肩当ての多くは、高さは小刻みに変えられますが、幅を小刻みに調節できません。
そこに不満を感じていたバイオリニスト(それは私)に、HAYATEの登場は大変な朗報です。これまで既存の肩当ての改造を試みていた方(それも私)もおられるのではないでしょうか。
芯棒の両端にある脚の片方の固定を、付属の六角レンチでゆるめ、位置をずらし、締めなおすだけです。手先が器用な方(バイオリンが上手な方?)には、そう難しいことではありません。六角レンチという道具を使わなければならないのが、めんどうではあります。
六角レンチの締め方が甘いと、使っているうちに脚が動いて=幅が広がってゆきます。しっかりめに締めましょう。
締めすぎると芯棒が早く劣化しそうですが、あとから芯棒だけを購入することもできます。私のHAYATEは、生徒たちに試弾してもらうため、週に何度も伸び縮みさせられていますが、壊れる気配はありません。
また2本の脚は、最初平行に調整しても、だんだんねじれてきます。時々直した方がいいですが、直し過ぎると体にフィットしなくなります。
出先でバイオリンケースを開けたら HAYATEの脚がゆるんでいた、なんてこともあります。工具はバイオリンケースに入れておきましょう。
(4)ロッド(芯棒)とパッドの長さについて
HAYATEは買った時期によって、芯棒の長さと、パッドの長さが違います。まだ発展途上の肩当てだからです。
HAYATEがバイオリンの奥まで入らない場合は、芯棒の長さが20cmの可能性があります。①②で21cmのものを買い直すことができます。買ってすぐであれば無償交換してもらえるかもしれません。
②クロサワバイオリン大阪梅田店でHAYATEを購入した生徒さんは、レッスンに来て肩当てが使えないと判明し、お店へ電話して、長い芯棒を送ってもらうことができました。
2023年秋からは、21cmが標準になっています。
パッドの長さは、2021年は16cmでしたが、今は15cmになっています。
私は両方持っていますが、16cmの方が好きです。また15cmだと、パッドの体の中央側の留め具が、胸に当たって痛い、という生徒もいました。
構造上パッドの交換はできます。製造メーカーへ問い合わせたら、16cmのパッドを作って販売してくれました。ハンズの材料で作れそうでもあります。
一般的なブリッジ型肩当てでは、中央側のパッド端が 胸に当たって痛いことがあるそうです。私は(生徒も含めて)経験したことがありませんが、それを考慮してパッド長を決めたようです。
(5)高さの調節方法
一般的な肩当ては高さを小刻みに変えられますが、HAYATEは2~3種類の「高さ調整用 金具」を組み合わせることによって高さを決めます。しかし不満を感じたことはありません。パッド部分のたるみや、パッドの傾き(ねじれ)具合でも、ある程度高さを調整することができます。
一般的な肩当ては、高くしたくても希望の位置まで上げられなかったり※、低くしたくても希望の位置まで下げられなかったりしますが、HAYATEはかなり高くできるし、かなり低くできます。(※別売りの脚パーツで高く上げられることもあります。)
「高さ調整用 金具」は真鍮製(仕入れ品)で、出荷のロットによって、何mmのものが何個ついているか違います。2021年は20mmが1セット、2022年は 12mm2セット & 5mm2セット でしたが、現在は12mm2セットに落ち着いているようです。原材料価格の高騰などにより5mmがつかなくなりましたが、①②のお店で追加購入できます。
ちなみに 5mmを2つ使用すると、12mmと同程度の高さになります。5mm金具はキワまで入らないからです。
私のバイオリン教室では、おおむね以下のように組み合わせています。
レッスンに来られた方が、必要な高さの金具をお持ちでない場合は、教室のストックを使って調整します。
胸側 肩側
フル 12mm+5mm 12mm
3/4 12mm 12mm or 5mm
1/2 5mm or 12mm 5mm
1/4 5mm 5mm or なし
金具の交換には六角レンチとスパナが要ります。高さを変える作業は、幅を変える作業に比べると、数倍めんどうです。
HAYATEの調整には手先の器用さが必要で、弦の交換や駒の傾き調整など細かなお世話にストレスを感じる人には、向かないかもしれません。しかし肩当ての取り付ける位置・傾き・幅・高さなどを自分にフィットさせることで、バイオリン・ビオラは飛躍的に弾きやすくなり、上達します。
※2024年後半から、ジェラルミン製(自社製)5mm単位になるようです。
おまけ
HAYATEは、シェル型のバイオリンケースには入りにくいことが多いです。念のため箱は捨てないで取っておきましょう。あとで持ち運びに困るかもしれません。
私はTOYOのシェルですが、芯棒とパッドの間の空間にD線のペグを突っ込んで、ペグボックスに添わせるようにして収納しています。ペグの傾きは、調弦しやすく且つ、HAYATEが入りやすい向きにしています。
3/4バイオリンのある子は、ペグボックスに上から被せるようにして入れていました。