子供にバイオリンの習い事をさせると、どれくらいの費用がかかるのでしょう? バイオリンというと 高いイメージがありますが、ほかの習い事とそう変わりありません。バレエなどよりずっと安いです。
もっとバイオリンを子供たちに習わせてもいいと思います。バイオリンが弾けると、進学や就職で引っ越したとき、海外へ行ったとき、その地ですぐ友達を作ることができます。
これまでアメリカ・イギリス・フランス・台湾・韓国などからの帰国子女さんがレッスンにいらしていますが、みな口を揃えて、「バイオリンやチェロを習っている子は、日本のピアノを習ってる子くらいいる」「バイオリンが弾けるから転校しても恐くない、住む国が変わっても恐くない」と言います。
小学校2年生から1/4サイズで始め、高校受験の手前まで続けて、スズキの後半までいったと仮定してみましょう。大学オケや市民オケで活躍できる腕前です。
京都は土地柄 中学受験が多いため、5~6年生で一旦バイオリンを止め、中1から再開する子供もいます。部活動にオーケストラがある学校も多く、中学に進学してから始める子供もいます。それぞれのご家庭の事情に合わせて計算してみてください。
2021.05.16 ほかの習い事にはない、バイオリンのよさ
1)バイオリンなどの道具代
①バイオリン・弓・ケース
1/4、1/2、3/4、4/4の4台で
8万円 ✕ 4 = 32万円
目安の金額となる8万円は、スズキ200番台グレードの3点セット価格です。昨今は優れた低価格バイオリンメーカーが雨後の筍のごとくあるので、メーカー・ブランドにはこだわらず、どこで買うかにこだわってください。
コストを抑えるのにお勧めなのは中古を買うことです。中古は新品以上にどこで買うかに気をつけてください。
どれだけ続くかわからない1台目は、ネットで安物を買ってもいいと思います。サイズアップする2台目以降は、スズキ200番台より上位グレードの楽器も考えましょう。
女子は 3/4バイオリンを飛ばせることもありますが、飛ばさないにこしたことはありません。
②肩当て、松脂、チューナー、譜面台
3万円~
分数バイオリン用の肩当ては、1個で2~3サイズに使えるようになっています。一番ポピュラーなKUNは、1/8と1/4が兼用、1/2と3/4が兼用です。1/4からスタートすると3個いります。KUNとは違うパターンの肩当てもあります。
イチオシの肩当てHAYATE は、大人向けのものが 1/4~フルサイズで使えます。詳しくは当教室、または大阪梅田のクロサワバイオリンにご相談ください。
肩当ては弾きやすさに直結する道具なので、合わない場合は買い直したほうがいいです。数千円~2万円余りの出費で劇的に弾きやすさが変わることもあります。スポンジで作った肩当てが合う子供もいます。諦めずに合うものを探しましょう。
顎当ても、弾きやすさに直結するパーツです。買い直したほうがいい場合もあります。バイオリンを弾きたがらなかった子供が、顎当てを低くしたら弾くようになった事例も複数あります。
松脂は1つ買えば長く使えます。
譜面台を買わないで済ませると、バイオリンを弾く姿勢に影響します。必ず用意しましょう。
音程を合わせるための道具(チューナーなど)も必須です。4弦の音程が合っていないと、音感が育ちません。小さな子供には、電子チューナーを使う以外にも音合わせの方法はあります。子供さんの年齢や性格に合ったやり方を、先生と相談しましょう。
③教本、楽譜
数万円~
当教室では主に以下の楽譜を使います。(生徒によって違いますが)
生徒さんが自分で好きな楽譜を買ってくることもあります。
子供のためのバイオリン教室 上~中巻
スズキメソード
小野アンナ スケール教本
やさしいヴァイオリン曲集 上下
ホーマン2
④弦が切れるなどした場合の修繕費
何事もなければ かからない費用です。個人が出品している中古バイオリンや、新品でも安いものを買うと、
・弦や弓の毛の交換
・テールピース・顎当て・エンドピンの交換
・駒や魂柱の再調整
などが必要になることがあります。またバイオリンは木工品なので、扱い方などにより壊れることがあります。
リスクを避けるには、バイオリンを「どこで買うか」が大切です。ちゃんとしたところで買っていれば、無償または安価にて直してもらえます。
2)レッスン代
月4回 1万2千円として
14万円 ✕ 7年 = 98万円
京都南部は「十字屋カルチャー」「島村楽器」などでバイオリンが習えます。事業者が運営しているバイオリン教室は、月額制でレッスン日が決まっており、上達につれてレッスン代がアップします。島村楽器だと月3回で、
習い始め(スズキだと1~2巻)は 12,100円
ポジション移動(スズキ3巻くらい?)が始まると 13,200円
小品(愛の挨拶など)を弾くようになったら 14,300円
京都を中心にカルチャースクールを展開している十字屋は、講座により回数や時間の長さが違い、レッスン代も様々です。
先生が個人で開いている教室だと、回数や時間の長さは臨機応変に設定してもらうこともできます。
3)発表会やコンクール
①発表会
参加費 5千円 ✕ 年2回 ✕ 7年 = 7万円
ピアノ伴奏費 7千円 ✕ 年2回 ✕ 7年 = 10万円
発表会の参加費には幅があります。1000円で弾ける機会もあれば、立派な会場で行われる場合は1~2万円になります。だれが主催するのか、どこの会場で催されるか、などで値段が変わってきます。
ピアノ伴奏費も幅があります。一般的に5千円~1万円くらいでしょうか。もっと安いこともありますし、高いこともあります。私の先生の発表会では2万円でした。バイオリン教室の方針によっては、保護者さんが伴奏したり、知り合いに頼んだりすることもできます。
計算しやすいよう、同じ規模の発表会が年2回あるとして計算しましたが、「年1回大きな発表会があり、それとは別に小さな演奏機会もある」といった運営をしているバイオリン教室が多いと思います。
発表会の参加回数は、年齢や性格を考えて決めましょう。回数が多すぎて練習に追われると、ジックリさらえなくなり、経済的にも負担です。また少なすぎて刺激がないのもよくありません。
発表会が嫌いな、苦手な子供さんもいます。そうした場合は「発表会」というより、「合同レッスン」「合奏会」のような機会を設けてあげるといいでしょう。先生に開催の検討をお願いしてみてもいいと思います。
バイオリン教室の先生は、参加する生徒さんの人数を予測して会場を手配したり、ピアノ伴奏費の交渉をします。先生が主催するイベントは、前向きに検討しましょう。不参加のばあいも理由をちゃんと説明すると、先生との良好な関係が保てます。
衣装や靴にもお金がかかります。衣装で気持ちがアップしてバイオリンの練習を頑張れる子もいます。しかし衣装代をかけず、道具類やレッスン代にお金をかけるという考え方もあります。みながドレスを着ている中、お出かけ用のワンピースでも保護者さんが胸を張っていれば、人は人、私は私、という生き方を子供も学べます。
②コンクール
参加費 15千円 ~ 4万円/回
ピアノ伴奏費 1~3万円/回
コンクールと聞くと、音大を目指すような子が受けるもの、というイメージがあるかもしれません。しかし そこまで目指していない子供でも、生涯に一度くらいコンクールを経験してみてもいいと思います。
私のバイオリン教室でも、本人が挑戦したいと言ってくることもあれば、保護者さんが子供に経験させたいと言ってくることもあります。
お勧めの関西弦楽コンクールは、これまで数回 生徒が出場しました。ひとつのバイオリン教室では、年齢&腕前が近い子がいないことがあります。しかし関西弦楽コンクールに出れば、年齢&腕前が近いお友達に会えます。