♫ バイオリン・ビオラ教室は(あんまり)地球を汚さない

バイオリン・ビオラ教室というナリワイは、地球をあんまり汚さないところが気に入っています。地球を汚さないために選んだのではなく、好きで得意な仕事を選んだら、結果としてバイオリン教室になりました。

生きて活動していれば地球に負荷をかけることは避けられませんが、ほかの職業に比べたらほんのちょっぴりです。移動に乗り物を使ったり、照明やエアコンを付けたり、コピーしたり。そのくらいです。弾いても、習っても、教えても、地球をあまり汚しません。持続的な仕事で、誰かに益を与えると誰かが損をする、といった側面がないことも気に入っています。

私たちは生きている以上、地球から「食べるもの」「着るもの」「遊ぶもの」を得ます。そして使い終わったら地球へ捨てます。生きていればみんな地球を汚します。その営みは、果物をもいで食べてウンコする、くらいの時代はノープロブレムでした。しかし今や私たちは地球の端から端まで「掘ったり」「潜ったり」「飛んだり」して様々なものをかき集め、

自然界には存在しない純度にしたり、
自然界には存在しない大きさにしたり、
自然界ではありえない変化を起こして、

新種の物質や生物まで作り上げています。
そうすることで自らの生息環境を破壊しています。

 ♫ バイオリン・ビオラそのものも地球に優しい

バイオリン・ビオラの表板はスプルース(欧米の松)。裏板・側板・ネックはメイプル(楓)です。指板は摩耗しにくい黒檀。フィッティングパーツは黒檀のほか、顎当てなどは柔らかいローズウッドやツゲが好まれます。各所の接着剤には今でもニカワが使われています。

バイオリン・ビオラ・チェロには1つだけ、超ハイテクノロジーなパーツがあります。どれだか分かりますか?

弦です!

超ハイテクではありませんが、アジャスターや、顎当ての脚も金属ですね。

弓は通常「フェルナンブーコ」という材料を使います。しかしフェルナンブーコ材は、絶滅危惧種としてワシントン条約により制限がかかり出したので、安価なセットバイオリンにはブラジルウッドが使われるようになりました。
近年のハイテクノロジーによるカーボン製の弓も、改良がすすみ使いやすいものが登場しています。

京田辺市のいつも渋柿を収穫しているところ

♫ 弓の毛をいただく=馬の死

弓の毛が、馬のしっぽであることはご存じだと思いますが、生きたまま尾をいただくことはできません。尾は背骨の続きだからです。

しっぽをもらっても馬は死なない。しっぽはまた生えてきて、何度も収獲できる。そんなイメージがありますが、違います。髪の毛のようには ちょんぎれないものなのです。猫を飼ってらっしゃる方は、先端まで動かせる彼等の尻尾を思い出していただけると、イメージしやすいと思います。

弓の毛のよく耳にする産地名はモンゴル、イタリアなど。モンゴル産などと聞くとのどかな感じがしますが、その辺にいるのを捕まえてきて しっぽを切るのではなく、畜産として商売として育成しています。

バイオリンの弓の毛のグレードは、馬の品種や、産地(国)により違ってきます。毛替えの値段にして数倍の差がでることもあります。分数バイオリンの毛も、馬の品種が違います。大人用ほど長さがいらないので、尻尾の長い馬である必要がないからです。

通常は海外の工場で「洗い」や「選別」などの工程を終えたものが輸入されますが、日本でも大阪にそれをしている作業場があると、奈良の職人さんが教えてくれました。

私は羊の毛を「刈ったり」「洗ったり」「ほぐしたり」したことがありますが、ものすごく根気のいる力仕事で、そうやって動物の毛や皮を使える状態に持っていくのは並大抵のことではありません。
羊毛の体験してみたい方がおられましたら、京田辺や奈良で教えている知人を紹介できます。(笑)

2020/08/20  バイオリン・ビオラ 毛替えの作業

♫ 輸入したものは(なるべく)買わない

なにかを買うとき、輸入したものはなるべく買わないようにしています。注文住宅を建てたときも、和歌山県 熊野の木材を使いました。土壁の土も国内のものです。

食べ物はできるだけ近隣で調達していますが、ときおりおいしそーな輸入の食材・お菓子にも出会います。たいていう~んと悩んで通り過ぎるのですが、凝り固まった生き方は自分を苦しめるので、買うこともあります。

洋服は、国内産にこだわって選ぶのは本当に難しい。不可能です。あまり頑張りすぎるのも不自然で、楽しくなく、快くありません。

いま悩んでいるダウンコートです。夜半に自転車で帰ってくるので、安全のため白く、防寒のため裾の長いものが欲しいのです。グローバル企業のお手頃品は、生きている動物からニンゲンが欲しい部分をむしりとって作られます。

この冬セーターとスカートを探していたら、「NADELL」というメーカーに出会いました。NADELLのもの作りのポリシーは、単なる自然素材の服メーカーとは一線を画しています。これからアウターで欲しいものがあったら まずここで探すつもりです。京都市役所の近くに店舗があります。

なんでもかんでも目くじらを立てるのも良くない。過剰にみえる包装だって、ピュアな親切心から出たことかもしれない。人間が生きていくには優しさが必要です。優しい言葉をかけられることは、食べ物や着る物と同じくらい大切です。

ある動物実験で、優しい言葉をかける群と、罵倒する群を比べたら、罵倒しつづけた動物たちは死んでしまった。そんな研究もあったと記憶しています。優しい言葉をかけるのと厳しい言葉をかけるので、免疫力や寿命は違ってくるのか? そんなテーゼでした。

♫ 地球環境を良くする活動

をしている人はえらいと思います。私には人に対して、「〇〇は良くない△△しよう!」と訴えるパワーがありません。けれどデモなどに集まった人々を見ると「電気使ってるなあ、ハイテクノロジー使ってるなあ」とも思います。

ネット社会は、時空間を越えて見たり聞いたりつながったりしたい!という夢を、人類がたゆまぬ努力によって具現化したもの。飛行機は、人間の空を飛びたいという夢を、努力によって具現化したもの。
だからその存在そのものに善悪はないのだけれど、ネットを構築し利用する営み、飛行機を作ったり飛ばしたりする私達の営みにより、私たちの生息環境を悪化させていることは事実です。

ある人が「原発反対のデモから帰ってきて、冷蔵庫から冷えたビールを出して飲むのは矛盾してる」と言いました。原発に反対するなら、電気をたっぷり使う暮らしをするな。ということが言いたかったのだと思います。
発言者はデモ隊を揶揄したかったと思うのですが、そのとき私の脳みそは全然違うところへジャンプしました。光明を見出したのです。原発を止めることはできないけれど、自分のつかう電気を減らすことならできる。


2000年の米国大統領選挙で、ブッシュさんではなくゴアさんが勝っていれば、今の状況は少しは違っていたのだろうか。しかしゴアさんは大邸宅に住んでいるらしい。地球環境に胸を痛めていて大邸宅に住める??

実際に庶民と同じような暮らしをしている大統領もいます。ウルグアイのホセムヒカさん(2010~15年の大統領)や、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(2016年~)さんの住んでいる家は、本当に庶民と同じらしいです。