♫人は利き手ばかり使ってしまう

人はどうしても、利き手ばかり使ってしまいます。利き手ばかり使ってしまうのは、習慣に従っているのが楽だからです。

バイオリンは両手・両腕をバランスよく活躍させなければなりません。特定の部位を過度に使い過ぎると、やりたいことがやれないばかりか体を壊します。

両手を並べて見てください。利き手の方が指が太かったり、関節が大きかったりしませんか? 私の手は、右指の関節が、左に比べてガッシリしています。体調が悪い時代に、右手ばかり使うクセが出来上がってしまったからです。体調が悪いほど、利き手偏重になる気がします。

♫どうして左指で指板を押さえるのか?

バイオリン・ビオラは、どうして左指で指板を押さえることになったのでしょう? 利き手である右指で押さえる方が楽だったのに。

答えは、
運指より運弓のほうが難しいから。
繊細なコントロールが必要とされるから。

♫手を使うとき、どちらの手を使うか考えるのは大変

手を使うときにいちいち、どちらの手を使うか考えて差し出すのは大変。というか無理です。日常生活のなかに組み込んでしまうのがお勧めです。

片手でする動作を、右手(利き手)から左手へ置き換えます。鉛筆で字を書く、お箸でごはんを食べる、歯を磨く、といった複雑な動きは無理です。シンプルな動作を、右手から左手へ変えてみてください。

井手町カフェ志木のワビスケ。右が利き手らしく、左手は上げてくれませんでした。

♪カバンをつかむ

のはどうでしょうか? 仕事に行くとき、鞄をつかむのに出す手を、利き手でない方にする。
バイオリンケースをつかむ。チャックを握って回す。ケースの蓋を開ける。これも利き手でない方でできます。

譜面台のネジも、左手で締めることができます。(私はそうしています。)
ちなみに、譜面台は組み立てっぱなしですか? 譜面台は、たいていネジ部分が壊れて使えなくなります。使い終わるたびネジをゆるめておくと、長持ちします。
ただし、譜面台のネジをいちいちゆるめることで、バイオリンの練習から遠ざかってしまうのは本意ではありません。譜面台の寿命より、バイオリンの練習へ向かうハードルが低い方が大切です。


♪扉や窓を開ける

動作はどうでしょうか?

どちらの手でしているか、まずは観察してみましょう。扉の向きによって左右の手を使い分けている方は、身体感覚が優秀?です。ちなみに私は優秀ではありません。必ず右手が出ます。困ったもんです。

「この扉を開けるときは利き手じゃない方を使う」と決めてしまいましょう。扉を開けるとき、何かモノを持っていたら、利き手じゃない方で開けるというルールは「スイッチOFF」にします。

両手でする動作は、考えだすとこんがらがるので、この取り組みは放棄します。


♪PCのマウスは左側に

置いています。

操作するのに人差し指は使いません。つい左クリックを中指でしてしまうので、薬指に習慣を変えようとしています。キーボードを叩くときは、〇〇キーは小指で叩く、と決めてしまうのもいいでしょう。

クリックに小指を使うと、バイオリン・ビオラにぴったりの力加減での練習になります。運指の左指が悩みならマウスは左側に置き、左クリックを左小指でします。運弓の左指が悩みならマウスは右側におき、右クリックを右小指でします。

弓のスティックの上に右小指を置くのは、難易度が高いと思われている初心者さんもいらっしゃるでしょう。しかし私の教室で初心者さんに色々試した結果、右小指の形を作るのはそう難しいことではないといえます。


♪家事仕事はやれることが沢山

あります。

洗濯槽から洗濯物を取り出すのは左手で。
洗濯機のボタンも、左中指や左薬指で押します。
洗濯バサミは左手で。人差し指は使わないで。

私は洗濯物は手洗い、脱水だけ機械にしてもらっています。手洗いのほうが汚れがよく落ちます。石けん洗剤は少なめに使うと、すすぎは1回ですみます。洗いあがった洗濯物が気持ち良すぎて、心地よさに止められなくなりました。

ドレッシングを振る、ヤカンを手に取る等、置き替えれる動作は沢山あります。コーヒーをドリップするのも、利き手でない方で持つ習慣を身につけてしまえば、何も考えなくてもそうなります。


片手でしている簡単な動作を洗い出してみましょう。

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