分数バイオリンの肩当てを買うのに、サイズを間違えたのに、ケロッとしていた保護者さんがおられました。私だったらめちゃくちゃ悔やむでしょう。いろんな性分の人がいるんやな、そういった性分も悪くないな、と思いました。
便利のあとに待ち構えている不便が、私はストレスです。ソレを維持管理するための労力と時間、ソレが壊れた時の不便さ。便利になったがゆえに忙しくなることもあります。
仕組みがわからないもの、壊れたとき自分でなおせないものは、できるだけ使わないでおこうと思います。
パソコン。スマホ。便利だけれど、故障には遭遇したくありません。機能テンコ盛りは、システムが複雑化するので、困ります。勝手にログインしてくれたり、個人情報が筒抜けになっていたり。
小さな業者さんだったら親切なことも、相手が見えない巨大企業がすると「ユーザーを支配しようとしてる」と感じます。Windows10の強制自動アップデート。削除できないヘルスケア。
ネットワークもシステムも、複雑な経緯を経ていると、あちこちほころびがあります。A社とB社がくっついて、C社を買収して、D社も加わった、みたいなインフラは、できるだけ選びません。金融機関も同様です。ATMも止まります。原因不明で。病院も。自治体も。複雑すぎるものは怖いです。
テレビのリモコン。登場したとき子供心にこんなもん要らんやろ~と思いましたが、慣れると案外便利。しかし、置き場所をつくる必要があったり、ほこりが溜まったら掃除せねばならなかったり。イラッときます。行方不明のときは、テレビ本体に何故スイッチが無いのかと呪います。
浴槽・洗面ボウルの栓が、ゴムでなく、遠隔操作になっているもの。壊れたらどうするんや。人からよく「中川さんは人が考えないようなことを考えるんやね」と言われますが、考えてません。パッと思うんです。
トイレのタンクにレバーがなく、勝手に流れるもの。
照明器具にヒモがついてなく、スイッチが遠いもの。
京田辺から越してきた井手町の借家には食洗機がビルトインされています。開かずの引き出しです。節水効果をうたうなら、製造に使われる膨大な水も計算に入れてほしい。わたしはお皿を古布で拭いてから洗うので、水はたいして使いません。じゃーじゃー流しながら洗う水量と比較しているのでは。
家の上に降った雨は、雨どいで集められ、下水に流れます。たいして汚い水でもないのに、遠路はるばる運びます。そして雨を取りのぞいて乾いた庭木に、遠くから運んできた上水道の水を労力と時間を使ってまきます。
雨どいが登場する以前、雨は外周にこぼれおちて地面に染みこんでいました。水が落ちるところは、泥がはねないよう砂利を敷いたりして、知恵で対策していました。雨どいのプラスチックは、スーパーのレジ袋の何枚分でしょうか?
集中豪雨があれば下水に大量の水が流れ込み、マンホールから水があふれます。
会社に勤めていたころ、いつも思っていました。
どうしてみんなで全速力で走らなあかんの?
みんなが全速力で走るので、私も全速力で走らなくちゃならない。
同期や後輩で辞めていく人が時折いました。「スピードについていけない」退職の挨拶でそう語った人もいました。そしてみんな「ついていけない自分が悪いのか?」 と傷ついていました。
もし法律を1つだけ変えていいなら、都市計画法にメスを入れてみたいです。
高層ビルは、50年後も機能を維持しようと思ったら、建設費の3倍のメンテナンス費用が要ると、危険学が専門の教授の本にありました。建物は高くなればなるほど、維持するのが難しくなります。自明の理です。
密集したり、高いところに住むのは、生体として不自然。体や心に悪い。という考え方は後ろ向きでしょうか? 高層ビルを建てる動機となった「もうかる」「かっこいい」という考えは前進・進歩・発展でしょうか?
「もうかる」「かっこいい」も生物として自然なこと。ですが、ちょっと行き過ぎた感があります。もっと建物は平たくして、うす~くひろ~く住みたいです。鳥たちの営巣も、野生動物の群れも、適当な距離を保っています。人も密集して住みすぎるとイラッとします。
人の住まいは、1名あたり1m2 以上を、土にせねばならない。土の部分は、固定資産税は非課税。
そんな法律はどうでしょうか?お金に弱い私たちはこぞって土の部分を多くするでしょう。
うすくひろく住めば、伝染病もうつりにくくなります。なぜ政府は「うすくひろく住みましょう」と言わないのでしょう? 産業界から還流するお金より、国民の健康が大切であれば。