こちらにビデオを掲載しました。
2024.01.09 バイオリン・ビオラ 弦の交換方法(ビデオあり)
お待たせしました。最もリクエストが多かったの弦の交換方法です。
バイオリンはADGE、ビオラはADGCの順に、1本づつ交換します。
①アジャスターをゆるめ、ぺグをゆるめて古い弦をはずす
はずした弦は丸めて、新品の弦が入っていた袋に入れ、年月を書いて、予備として取っておきます。全部まとめて最後にしまおうとすると、どれが何線か分からなくなるので、1本づつ都度しまいます。弦をはずしたあと駒に付着している松脂を拭くと、駒も弦も長持ちします。
②ペグにペグソープを塗る
ペグ穴との接点にあたる部分を確認します。わからない場合は、ペグボックスの上からペグを当ててみます。(写真) 接点にあたる部分はツルツル光っていて、あたらない部分と質感が違います。ペグを回しながら、たっぷり塗ります。時々ペグボックスに当てて、塗る場所が違っていないか確認しましょう。
③駒とナットの溝に、4B鉛筆を塗る
調弦のとき弦がすべるので、弦が切れにくくなります。弦の切れる場所は、一番がボールとの継ぎ目ですが、次は駒に当たっているところ、ナットに当たっているところです。
駒が歪むのを防ぐ効果もあります。E線だけアジャスター調弦だと、E線は常にテールピース側へ引っぱられ、残りの3弦はペグ側へ引っぱられるので、駒がねじれてきます。
E線を張る前に・・
E線には、黒ゴム or 丸いベージュの皮ゴム が付いています。これは、弦と駒のあいだのクッションとなる保護管です。この保護管は、駒のE線が当たる部分が保護されている場合は、いりません。
保護管がいらない時
黒ゴムは、テールピース側へ押し付けて止める(下の写真)か、
弦をはる前にボールエンドの反対側から抜きとります。弦の途中でぶらぶらしていると雑音が出ます。
駒とのクッションにする場合、黒ゴムは駒の幅より長いため、指板側の端を合わせて、余りはテールピース側へ出します。(下の写真)
丸い皮ゴムは、駒を保護する役目より、雑音を取って音をまろやかにする効果が大きいです。ナットにはさんでもいいです。(E線の圧はナットに負担なので)
④ペグ穴に弦を差し込み、15mmほど出す
先端が折れないので、巻きなおすとき穴に入れやすいです。(写真はG線)
⑤ペグを押し込みながら巻く
⑥何周か巻いたところで、ボールをテールピースの穴にはめる
弦の色が変わる箇所が、ナットを通り過ぎたところを目安にすると、行き過ぎません
⑦弦をさらに巻き、駒とナットの溝にはめる
⑧弦をはじいて音程を確認しながら、ペグを巻いていく
E線やA線などテンションの高い弦は、最初はすこし低めの音程で止めて、他の作業(A線だったらD線を張る作業など)の合間に少しづつ上げていきます。E線もアジャスターはゆるめたままペグで音程を上げます。落ち着いてからアジャスターで調整します。
⑨ペグ調弦している弦は、ペグの傾きを整える
数日たつと1/4周くらい弦が伸びるので、それを計算に入れて傾きを決めます。