皮膚を経由して体内にはいる「経皮毒」と呼ばれる物質は、直接血中に入るため、ストレートに作用します。即効性が求められる薬を、皮膚に貼ったり刺したり、舌下で溶かして粘膜から入れるのと同じです。引き算したときの体調の変化もわかりやすいです。

最近の皮膚につけるもの、化粧品や塗布薬には、ナノテクノロジーが使われるようになりました。ミリの 1/1000 がマイクロ、マイクロの 1/1000 がナノです。
粒子が細かくなると、化粧品の有効成分が皮膚バリアをやぶって体内に浸透しやすくなります。洗剤は汚れ落ちが良くなり、香りが長持ちします。しかし腐らないための、なめらかな質感のための、よい香りのための添加物も、体の深部へ入ります。
すべての添加物が、体に害なわけではありません。けれど害のない成分でも、自然界ではありえないサイズになると、生体に悪影響を及ぼすことが確認されています。これを「マテリアル毒性」と言います。

この記事に書いたのは、私が引き算してきたことです。
●は解説、 は体験談です。

①口の粘膜にふれるもの

口内の粘膜は、皮膚の延長です。粘膜は外界にさらされていないので、皮膚のようなバリア機能がありません。


歯の金属詰め物、プラスチック詰め物、矯正用テンプレート

●だ液で、金属やプラスチックが溶けだします。
●金属は溶けだすだけではありません。帯電、下顎にかかる重さにより、不定愁訴をひきおこします。

♡歯の治療で、口内の金属量が3倍になったとき、顔にシミがじわじわと出だしました。取り返しがつかないほどひどくなってから、歯の金属が原因と気づきました。金属除去すると、シミがふっと軽く(薄く)なりました。


歯の詰め物を接着するセメント

●接着力が強いものは、毒性が高くて外れにくい。弱いものは毒性が低くて外れやすい。歯医者さんは、接着力の強いものを選びがちです。
♡私のセメントは弱いので、何年かに1回はずれますが、体は楽です。


歯みがき粉

●口に入るものなのに、食品添加物に指定してもらえない危険な物質が、何種類も大量に入っています。
●口に入ったものは、胃腸から吸収されるより、口内の粘膜から吸収されるほうが危険です。

♡わたしは「バイオペースト」「元気白い歯の素」などを使っています。
♡歯が茶色くなっても気にしない友人は、歯みがき粉は使っていません。


歯ブラシ、デンタルフロス

●プラスチックの歯ブラシを使うと、マイクロプラスチックや化学物質が口から入ります。
♡自然素材のものを試しましたが、選択肢が少なくて、私の口にはヘッドが大きいようです。

●プラスチックのデンタルフロスを使うと、フッ素化合物やマイクロプラスチックが口から入ります。
♡コンスターチ由来バイオプラスチックの糸が、ガラス瓶に入ったものを愛用しています。(下の写真中央) 
 口に入れてもさわやかで、気分がいいです。糸が太めなので、歯のすきまが狭い人には向きません。

②洗剤

洗剤は、界面活性剤であることにより汚れを落とすものが多数派です。界面活性剤とは、水と油の界面(さかい目)を活性(ゆるゆるに)する剤。ゆえに皮膚にふれると、洗剤の成分が体に入っていきます。


衣類の洗剤

●子供のころ、石鹸洗剤より合成洗剤のほうが優れている、という広告を見たことがあります。実際使ってみると、石鹸洗剤のほうが汚れがおち、合成洗剤 特有のすすいでも落ちないぬめりもなく、衣類は気持ちよくなりました。
♡少なめ石鹸洗剤で洗ったあとのすすぎは、1回です。

●石鹸成分100%だと、石鹸カスが衣類や洗濯槽につきます。アルカリ剤(セスキ炭酸ソーダなど)が何割か入っていれば、つきません。

●泡立たないタイプの洗剤は、汚れ落ちがイマイチと言われますが、そうではないものもあります。わたしが使っている「ピリカレ」という洗剤は、石鹸洗剤とくらべて遜色ありません。
いちばん安全で安上がりなのは、湯水で洗うことです。(お湯を作るのは環境負荷が高いので、わたしはしません。屋根の上にのせて太陽熱であたためる、昔ながらの温水器があったら、わたしもやりたいです。)

●水のクラスターが細かいと、汚れ落ちしやすいです。コンクリートで塞いでいないなど地場がよい場所では、水や水蒸気のクラスターも細かくなります。


衣類のクリーニング

●汗など汚れの多くは水溶性で、石鹸洗剤で落ちます。ドライクリーニング溶剤は、繊維に残り、皮膚から体内に入ります。

水洗いのクリーニング店「せんたく工房 無有」


住居の洗剤

●テレビの情報番組で、よく紹介される物質の名前を、思い出してみてください。石鹸、重曹、セスキ炭酸ソーダ、クエン酸、過炭酸ナトリウム。商品名がついている合成洗剤より、汚れ落ちがいいです。除菌効果があるものもあります。


食器の洗剤

●手が界面活性剤(洗剤や石鹸)に触れすぎると、皮膚バリアが壊れて、手荒れの原因となります。
●アクリルタワシや、米ぬかでも、食器洗い洗剤がわりになります。
♡洗うまえにボロ布で拭いています。


顔・髪・体の洗剤

●洗剤で洗いすぎると、皮膚にいる常在菌が減ってしまいます。常在菌は、病原菌を駆逐したり、皮脂を分解してくれます。顔や髪や体は、水やぬるま湯で洗いながすのが、安くて安全です。

●汗と皮脂が混ざると、界面活性し、こすると垢がポロポロはがれます。適度に汗をかいていれば、肌は自然にターンオーバーします。

♡福山雅治やタモリさんも、湯水のみだそうです。
♡体がかゆいときは、ヘチマでこすっています。
♡タオルでしっかり拭くのも、垢が取れます。タオルを洗えばいいのです。

③着るもの、ファブリック

化学繊維のもの、化学染料でそめたもの

●化学物質が経皮吸収されます。
●帯電します。

♡ポリエステル100%のイッセイミヤケのエプロン、静電気が気持ちわるく捨てるしかないと思っていたのが、天然染料で染めたら気にならなくなりました。


天然繊維だけど農薬・肥料をつかったもの

●殺虫成分が経皮吸収されます。
●絹は天然繊維ですが、蚕は合成飼料で育てられています。
●化学染料も毒性の強さはピンキリです。天然染料をうたっている商品には、9割は化学染料をつかっているものもあります。
●古代中国の儒教経典には「草木根皮これ小薬なり 鍼灸これ中薬なり 飲食衣服これ大薬なり」と書かれています。

♡天然素材や天然染料のものは、汚れおちがよく、洗濯の回数が少なくてすみます。


衣類のしめつけ

(ウエストゴム、ブラジャー、ストッキングなど)
●化学繊維ではなく天然繊維だと、少し楽です。


生理用品、おむつ

●塩素漂白剤・着色料・香料などが、粘膜から体内に入ります。皮膚より何十倍も危険です。
●布ナプキンや布おむつは洗うのが面倒ですが、やり方を工夫すれば慣れます。紙ナプキンを捨てる手間がないのも快適です。
●オーガニックで漂白していない使い捨てナプキンもあります。布ナプキンと併用すると便利。

④塗るもの、拭くもの

化粧品

●しっかり付くなど効能が高いものは、毒性も強い。
♡お化粧をすることによる、気持ちの面での良い効果もあります。


基礎化粧品、リンス・コンディショナー、日焼け止め、制汗剤

●洗いすぎない、補いすぎない。汗をかくほうが肌は健康で美しくなる。
●ナノ化で有効成分が肌に入りやすくなっていると、防腐剤などの合成化学物質も一緒に入りやすい。結果として肌を痛める。

♡高価な基礎化粧品をせっせと塗っていた20年前より、なにもしない今のほうが肌の調子がいいです。
♡通りすがりに美容液の試供品を塗られた数分後、喘鳴が出たことがあります。


カラー、エクステ、ネイル、ピアス

●頭皮は、粘膜と同じくらい経皮吸収します。
●材料や接着剤は、あまり体にいいものではありません。
●ピアスのポストは、金属・プラスチックよりセラミック。

♡美容院でカラーしてもらったあと、髪のはえぎわにブツブツができたので、ヘナに変えました。
♡ヘナを定着させるコツもいろいろとあります。木酢液・竹酢液で頭皮をもんでから塗布。ドライヤーの熱を控えめに。


塗り薬、貼り薬、マッサージ

♡子供のころ喘息で救急搬送されては、点滴されました。 ”異物侵入感”があるので好きではありません。口から食べれないときは、体がほかのことで忙しいのだと思います。 ”点滴で水分補給すると劇的に体が楽になる”と言う人もいました。


ティッシュペーパー、トイレットペーパー

●柔軟剤や漂白剤、香料が使われています。