1日30分練習したとしても、24時間=1440分の2%です。
98%の時間 背中をまるめて過ごして、楽器を弾くときだけ背筋をしゃんと伸ばしても、その演奏フォームは定着するでしょうか?
楽器を弾いていない時間の過ごし方でバイオリンが上達するなら、こんなオイシイ!?話はありません。しかも追加の時間はいりません。お金もいりません。
レッスンでは1人1人こと細かに、その人に合った体の使い方や練習方法についてお伝えしますが、ここでは誰もが日常生活でできることを紹介します。
私が日々やっていることです。アレクサンダーテニクニークをベースとした、ちょっと難しいことも書いています。体がよく動くほど、バイオリン・ビオラは上手に弾けます。

朝、布団のなかで目が覚めたとき、体のどこか余計な力を入れているところがないか探してみる。見つけたら抜いてみる。
ただ立っているだけのとき、ただ座っているだけのとき、体のどこかで余計な力を入れているところがないか探してみる。抜いてみる。
探してみる、とか、抜いてみる、とか、意外と難しい。頑張ろうとしすぎるとイラッする。
そんなときは見るだけ。自分の体を見にいくだけ。電車を待っているとき、ちょっとヒマなとき、この記事をちょっと思いだしたとき、自分の体を見にいく。
そこにあることを感じなくなってしまっている部位を発見してみる。消えてしまっている部位を、再発見してみる。後頭部とか、おしりとか、膝下とか。なくなっていませんか?
手洗いは、自分の手を確認する時間。
右手で左手を、左手で右手を。
手首、親指の付け根、指と指のあいだの水かき、薬指と小指の第3関節。
声を出す。声に出して歌う。声に出して笑う。
鉛筆は、お箸は、ふわっと持つ。
夢中で食べていると、ムギュッ!となる。
なんでも必要最小限の筋力で持つ。
可憐な俳優さんのように。
ドレッシングは左で振る。
習慣にしてしまえば、無意識に左で振っている。
左でかけるとドバっと出てしまうので、それは右。
歯を磨いているとき、洗濯機が止まるのを待っているとき、電話でしゃべっているとき、脚を片足づつ上げてストレッチ。
靴下は立って履く。筋肉を使わないで、バランスで履く。
窓を開けるとき、窓を閉めるとき、
扉を開けるとき、扉を閉めるとき、
全身を使う。

お湯がわいたとき、鉄瓶を持ち上げるのは左手。左手で注ぐ。
水を運ぶのは左手。
ピッチャー、じょうろ、スプレー、ペットボトル。
スプレーでシュッシュッ!は左手の筋トレタイム。
パンをこねる。麹の塩切り。味噌の大豆をつぶす。樽に詰める。奈良漬けの床を練る。
洗濯物は手で洗い、手でしぼり、手ですすぐ。
脱水にかけた洗濯物を、脱水槽から取りだすのは左手。
洗濯バサミは左手、人差し指以外を使って開く。
習慣になってしまえば、洗濯バサミにむかって勝手に左手が伸びる。
洗濯バサミを広げるには力がいるので、人差し指にお休みしてもらうのは難しい。
中指&薬指あたり、という曖昧な意識でやる。
浴槽やシンクなど、こするときは左手で。
イラッとしてきたら右手に交代。
雑巾しぼりは、同じ方向ばかりしない。
給湯器のボタン、洗濯機のボタン。ピ・ポ・パは人差し指以外で。
携帯のキーは左で打つ。
PCのマウスは左側において、右クリックは中指、スクロールは薬指。
マウスのクリックに人差し指は使わない。キーを叩くのも人差し指以外を使う。(ブラインドタッチを除く)

立っているとき、歩いているとき、膝は外側の上に向ける。
足裏はかかとから地面につけ、足裏の外端をローリングし、小指から親指へリレーする。
自転車のブレーキは、左手を中心に使う。
漕いでないとき、降ろしている脚はいつも同じにしない。
階段が見当たらなくても、階段をさがす。
1段飛ばしで上る。(無理しない)
スカートだってへっちゃら。たくしあげて登る。(周りに人がいないとき限定)
トイレはわざわざ和式に入る。
何もないところで、意味ありげにしゃがむ。(意味なくしゃがむと変)
何もないところで、意味ありげに振り向く。(首の可動域を高める)
体の骨や筋肉のパーツを、ばらばらに動かすようにする。
歩き方のかっこいい人、立ち姿の美しい人を見かけたら、真似してみる。その人になったつもりで。