京都府京田辺市のエチュード音楽教室に、バイオリン12名、ビオラ3名、チェロ2名、指揮者2名?が集まりました。

毎回アンサンブルレッスンでは、その時々の事情により、エキストラ(お手伝い)に参加いただいています。昨今アンサンブルレッスンの参加者が増えて嬉しいのですが、反面、
・音頭を取る(すなわち指揮をする)
・適宜コメントやアドバイスをする
・手本で弾く
・怪しいパートを助けるため弾く
など様々な役割をこなすことが難しくなっています。

そこで今回、指揮の友人をトライアルでお呼びしてみました。(友人とはおこがましいかも。オケの面白さを教えてくれた先輩です。)大学オケ~アマオケで40年指揮をしており、私も10年ほど同じオケに所属していました。
今回 通すときの指揮はすべてお任せしてみました。いつもと違っていて生徒の皆さんには刺激になったと思います。指揮をお任せすることで、アンサンブルレッスンをより充実した時間にできればと考えています。

①カノン パッフェルベル

カノンは、バイオリンパートからリクエストが多かったのですが、ビオラとチェロが単調(修行)なため、アンサンブルレッスンで取り上げるのは難しいと思っていました。今回チェロの超初心者さんが2名おられるので、やるなら今しかない、と決めました。
弾きはじめ各パート2名づつから音色の重なりを感じる練習をしているビデオと、友人に振ってもらった通しのビデオを載せました。

♪練習の冒頭 ♪通し

②彼方の光 リベラ

彼方の光は、
・まだ易しい曲しか弾けない初心者さんに、1stバイオリンを経験してもらう
・メロディを弾くことの多い、内声の経験が少ない子供らに、2ndバイオリンを経験してもらう
という2つの目的で選びました。
案の定、ヴィヴァルディのイ短調コンチェルトが弾ける生徒に、最初レッスンで弾かせたときは、まちがいだらけでした。しかし先生はなにも言わないことを選びました。勉強してきた通りに左指を置けば、正しい音程が出せるはずだからです。2ndトップに座らせていいのか迷いましたが、当日までに彼は自力で修正し、音程はすべて正しくなりました。
うちで育った生徒はみな楽譜が読めますが、スズキ教本を気合いで習ってきた子供は、E線のファ(1の指)やA線のド(2の指)の場所がわかりません。

時間が足らず通していません。前半の演奏と、後半の演奏がわかるビデオを載せました。

♪前半 ♪後半

③アンダンテ・フェスティーヴォ シベリウス

アンダンテ・フェスティーヴォは4分音符と2分音符だらけなので、初心者さんが多い回にやろうと思っていた曲です。シンプルな構成で、変則的なところが少なく、勉強向きの素材です。個人練習が楽しくないのが難点で、当日までの間どうしたら練習しやすいか、生徒さんごとに策をあげ、励ましました。

♪サビの部分 ♪通し

④ホールニューワールド

ホールニューワールドは前回も取り上げた曲です。今回一番難しく、上手な経験者さんが退屈しないように入れてみました。「ワタシも早くアレが弾けるようになりたい」と思ってもらうためのメニューでもあります。

♪通し


今回感心したのは、大人の初心者の生徒さんたちの頼もしい弾きっぷりです。ひとつひとつの音符の音程と長さをちゃんと読んで、自信を持って音が出せるまで、練習してきていました。4~5名の2ndバイオリンを半分にわけて、それぞれ弾かせても、しっかり音を出していました。

アンサンブルレッスンの直前、チェロ組3名の特別レッスンと、子供たち3人の合同強化レッスンをしました。
チェロ組は、私が経験者さんに体の使い方についてのレッスンをし、経験者さんが初心者さんを教えました。チェロ初心者さんの個人レッスンも時々しているのですが、私に答えられない(そしてチェロの先生にも聞きにくい)質問が出ることがあり、先輩に聞ける場を設けました。

子供たちのレッスンは数日前に決めたもの。スイちゃんが一週間まじめにスケールの練習をして、最終レッスンでカノンの16分音符が弾けそうだったからです。しかし彼女は最終レッスンから今日までのあいだ、あまり練習しなかったようでした。
そのとき気づいたのですが、最近の子供たちは時計の秒針を知らない様子。「秒針の速さで」と言っても反応が薄い。テンポ60をメトロノームで覚えてもらわねばならないのか?

彼女らは京田辺シュタイナー学校の生徒たちですが、お招きした指揮者の伴侶さんはシュタイナー教育の先生なのでした。不思議なご縁。
その中の1人メイちゃんが、合奏が始まるまえ小声で私を呼びました。「ホールニューの後半は弾けないから弾かなくてもいい?」 それでは前回と同じだねえ。先生の許可がいることなのか? ダメと言ったら弾けるんかい?

次回は2025年。曲の候補は以下の通り。
 四季より春 ヴィヴァルディ
 セントポール組曲 ホルスト
 ディヴェルティメント モーツアルト