現代社会は、体や心を辛くするものにあふれています。不定愁訴、生活習慣病、難病、発達障害、認知症。アレルギーになりやすものが増えている、とも言えます。
化学物質や電磁波への感受性は、個人差が大きく、影響を受けにくい人もいます。優れたスポーツ選手や音楽家は、影響を受けにくい体を、先天的な才能として持って生まれてきた、と言えます。
私は40代の始めごろ、寝たきりにちかい状態になりましたが、今バイオリンが弾けるのは、バイオリンを弾く練習をしたからではありません。「体を動けなくするモノ」をこつこつと遠ざけることにより、身体感覚を取り戻したからです。
この記事に書いたのは、私が引き算してきたことです。
●は解説、♡ は体験談です。
♡木津の農家に嫁いだ友人の話。義母が1ヶ月入院するあいだ、義父のお世話をすることになりました。彼女は電磁波過敏症で、食事も無農薬・無添加でした。
義父は軽い認知症でしたが、彼女の作ったものを食べだして1週間で、普通に会話ができるようになりました。でも義母が戻ってきて1週間で、元の状態に戻りました。
①農薬、肥料、添加物
農薬や化学肥料
●農薬や化学肥料の使用について、国が定めた規制はありません。「自主的に確認・管理してね」というガイドラインがあるのみです。そして各地の農協が、量や頻度を、農家に提案しています。
●無農薬、減農薬、無化学肥料、減化学肥料の表示は控えるように、との指令が出ています。なぜかというと、消費者の優良誤認を招くから。優良誤認とは「過度に優れているとの誤解を招く」という意味です。
特に農薬を使った野菜と並んでいる店では、自粛が求められます。農薬を使った野菜より、使ってない野菜のほうが、過度に優れているとの誤解を招くからです。
●農薬・化学肥料を使わなかった作物は「栽培期間中不使用」となら表示できます。また農協が推奨する散布量の半分以下にしたとき、「特別栽培」「減農薬」と表示できます。
●多くの農協は、農薬や化学肥料を沢山まくよう、農家に推奨します。収益源だからです。ですから半分に減らしても相当な量になります。
●農薬の量はまいた回数で表示されますが、量を増やせば回数は減らせます。残留性を高めた農薬も増えています。農薬効果のある化学肥料もあり、肥料をまいた、農薬はまいていない、と言うことができます。
♡ミツバチが巣に帰れなくなるネオニコチノイド農薬。ネオニコチノイド農薬が人体に蓄積されたら、人も家に帰れなくなるのでは?
欧米では使用禁止が進んでいますが、日本では使用量が緩和されています。世界の認知症 患者数の1割が、日本人です。
動物性の有機肥料
●家畜に与えた合成化学物質が残っています。
肥料の与えすぎ
●与えすぎた肥料は、野菜のなかで「硝酸態窒素」になり、人体へ悪影響を及ぼします。
●肥料過多の作物には、虫がくるので、農薬の量が増えます。
♡肥料たっぷりの作物は、くどい味がします。過肥料でない作物は、飲みものでいえば「水」のようにすっきりとしています。
食品添加物
●食べ物に入れてOKの食品添加物は、認可とか許可とは言わず、「指定」と言います。
●現代のテクノロジーをもってすれば、新しい物質はいくらでも作り出せます。「指定」されていない物質が使われていることもあります。新しい物質は、禁止されているのではなく、「指定」を得ていないだけだからです。審査結果が出るまで時間がかかり、その間に使用しても違法ではありません。
●1種類づつの使用量を定めた規制はありますが、複数同時に食べたばあいの影響は誰にもわかりません。
食品添加物は、微量だと問題がないので、一定量より少なければ表示しなくてかまいません。
●タンパク質に塩酸を加えて作ったアミノ酸(たん白加水分解物)は、うまみを増すために入れられますが、添加物ではなく食品扱いなので、「化学調味料不使用」と表示できます。
●家畜・養殖魚・ペットの食べ物にも、添加物は入っています。天然魚も、店頭にならぶまでの水・氷のなかに、防腐剤が入っています。新鮮にみえる色を出すための化学物質もあります。
加工助剤、キャリーオーバー
●缶詰のみかんは、薄皮をむくのに塩酸 につけますが、そのあとアルカリ剤で中和するので表示されません。こうした化学物質は、加工助剤やキャリーオーバーと呼ばれ、微量なので問題がないとされています。
まとめ表示されている食品添加物
●化学物質名だと不安な印象を与えるため、短い漢字で安心感を演出した「まとめ表示」という制度があります。保存料として2つの化学物質をもちいた場合、その2つをまとめて「保存料」と表示できます。ほかに、酸味料・甘味料・安定剤・乳化剤・pH調整剤などがあります。
肥育ホルモン剤、抗生物質
●家畜・養殖魚への肥育ホルモン剤の使用は、その危険性から認められていません。しかし肥育ホルモン剤の代わりに、病気の予防という名目で、抗生物質が投与されています。抗生物質を与えると、家畜は半分くらいの時間で成長します。そのメカニズムは解明されていません。
●米国内で生産・流通するお肉には、肥育ホルモン剤の使用が禁止されていますが、日本へ輸出するお肉には使われています。日米貿易協定により、日本側はこれを認めました。
●ホルモン依存性の癌(乳癌・前立腺癌)が増えているのは、農産物・畜産に使用されるホルモン剤の影響ではないか、と報道されています。
●不自然に速く大きく育った家畜は、健康体ではなく、腫瘍があったりします。しかし切身で売られるのでわかりません。豚は生後6ヶ月で出荷されますが、6ヶ月を過ぎると病気が増えだすことが、理由のひとつだそうです。
②食べもの
品種改良しすぎ
●原種から変わりすぎると、本来の生命力が失われ、農薬や肥料がないと育たなくなります。
●農産物の生産効率化のため、F1という種が使われています。F1の種からは、まったく同じ性質を持った野菜ができます。
F1の野菜から採った種は、子孫が作れません。そのため農家は、毎年メーカーから種を買います。(子孫が作れる種は、固定種・在来種と呼ばれます。)
地球上の土は、場所がちょっと違うと、土壌微生物がまったく違います。日本中で同じ種をまくのは、自然の摂理に反します。さまざまな自然の摂理に反した行動が、地球をちょっとづつおかしくしてきました。
●ホルスタインは、原種の何十倍かの乳を出すそうです。そのため病気になりやすく、寿命は1/4くらいです。
本来草食の牛に、穀物飼料を与えると、倍の乳量になります。(カロリーたっぷりの食事が出されて、倍働けと言われたら?)
乳牛も肉牛も、ほぼ人工交配で子供を産ませます。使われる精子は、遺伝的に優秀なオス牛から選抜され、そうしたオスは「基幹種雄牛」と呼ばれます。ある時期のホルスタインでは、1頭の精子が9割のメスに使われている、と書かれた出版物を読んだことがあります。
鶏の現在の品種ブロイラーは、原種の1/3の期間で成鳥になります。そして若鳥で出荷しないと、病気まみれになるのそうです。豚も若年で出荷されるのは、同じ理由です。
●小麦アレルギーは、改良しすぎた品種のせいだと明らかになっています。軽度であれば、改良が進んでいない品種の小麦は食べれます。
小麦にかけられた農薬・化学肥料も関係していると考えられています。改良がすすんでいる小麦ほど、農薬・化学肥料を必要とします。
遺伝子操作されたもの
●品種改良の最たるものが、遺伝子操作です。
●2020年8月現在、日本では商業栽培はされていませんが、輸入が認められています。トウモロコシ・大豆・綿・菜種など、遺伝子組み換えの表示義務がない品に使われています。また食品添加物としても使われています。
●【遺伝子組み換え】の表示義務があるのは、8作物33食品群の材料の上位3つで、5%以上の混入がある場合だけです。食用油やしょうゆは、遺伝子組み換え作物の使用率が高く、基準をクリアすることが難しいため、除外されています。
EUでは、すべての食品・原材料で0.9%以上の混入があれば、表示しなければなりません。
●2023年度より【遺伝子組み換えでない】と表示できるのは、不検出の場合のみとなります。この法改正により、【遺伝子組み換えでない】という表示は事実上できなくなります。どんなに気をつけても不検出は無理だからです。「遺伝子組み換え」という単語が、店頭から姿を消すことになります。
●農薬や化学肥料を作ってきたグローバルメーカーは、種と自社製品をセット販売できるよう、おもだった種苗メーカーを買収してしまいました。
遺伝子操作した種と、農薬・化学肥料をセットで投入した土地は、数年で荒廃して使えなくなるそうです。ラウンドアップレディという大豆と、ラウンドアップという除草剤がその1例です。グローバルメーカーは荒廃した土地は放棄して、新たな耕作地を切り開きます。
多様性のないもの、グローバルメーカーが提供するもの
●土壌微生物は、日本国内でも土地が変わればまったく違います。違う土地に住んでいるのに、同じものを食べるのは、生物としておかしくなります。
グローバルメーカーとは、世界のどこでも、同じ製品やサービスを提供する企業です。
お腹がすいていないのに食べること
●人は「おなかが空いた、食べたい!」という生活を、何百万年もしてきました。「おなかは空いてないけど、おいしそうな食べ物がある!」という生活は、まだ70年くらいです。
もうけるのが上手な人たちは、人間の本能に訴えて、必要でないものを買わせる戦略に長けています。人のカシコサが、そういうことに使われるのは残念です。
加工しすぎ、精製しすぎのもの
●食塩や白砂糖は、イオン交換膜法という自然界では起こりえない加工で、作られた食品です。食用油も、化学溶剤(加工助剤)をもちいて油をしぼっていて、体によくありません。イオン交換膜法で作られた塩・砂糖は、食品ではなく化学物質といえます。
●自然由来の材料でも、精製しすぎると本来の姿から遠ざかり、体に害を及ぼすようになります。
●日本では高度成長期、臨海部の塩田を工業地帯にしました。昔ながらの製法による姿を消し、イオン膜方式による99%塩化ナトリウムの塩に置き換わりました。昔の塩は、塩化ナトリウムが88%くらい、残りはニガリ成分とも呼ばれる微量ミネラルです。
新しい塩を用いた伝統的な保存食品は次々と腐り、味噌や醤油などの蔵・製法は壊滅的な打撃を受けました。
その後 法制度は少しづつゆるめられ、現在では自由な塩作りが認められています。米国統治下だった沖縄は、本土より遅れて規制が始まったものの、気温・湿度が高いこともあり食品がもたないと不満があがり、本土に先駆けて規制がゆるめられました。
特定のものを過剰に食べること
●人類の歴史から鑑みて、私たちがもっとも過剰摂取しすぎているのは砂糖、そして油です。適度な量の、何倍をも摂取しています。
砂糖や油は、もっと食べたいのに食べられない、という生活を何百万年もしてきました。そのため歯止めがきかないで過剰に食べてしまうのです。
♡食べたときの体の違和感を、意識的に感じるようにしています。店頭でおいしそうなお菓子を見たとき、食べたあとの体の感覚を思いだすと、買わないでいられます。
●塩は、塩化ナトリウム9割未満の製法のものにすれば、量的な問題は小さいといえます。
●総務省の家計調査によると、日本の食卓では、食費の2割がお菓子だそうです。
調理しすぎ、調理しなさすぎ
♡マクロビを実践したことがありますが、だんだん体が臭くなりました。生野菜や果物を食べるようにしたら戻りました。
●マクロビでは、生野菜を禁じているわけではありません。生野菜は陰性で体を冷やし、強い消化力が必要なので、虚弱な人はゆでたり蒸したりがベターとされています。
♡ローフードも、やりすぎ(ロー比率の高めすぎ)は調子がよくありませんでした。
遠くのもの、気候風土がちがう土地のもの
●京都の空気を吸い、京都の水を飲んでいるなら、京都の土壌微生物を食べるのが体に合うのです。
♡コーヒーは日本産がありません。アフリカ産ではなく、アジア産を買ったりします。
部分だけを食べること
♡キウイの皮は、果肉と一緒に食べると美味しいです。洗ったり軽くこすったりして、ゴワゴワしたところを取り除きます。
健康補助食品
●有効成分だけでなく、凝固剤などの添加物も入っています。加工度が高いものより、食品に近いもの。
●特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品は、人々の健康を願った食品ではなく、企業の収益を上げるための商品です。認可のされ方には かなり無理があります。
③器やカトラリー、調理器具
器やカトラリー
●竹や木など自然素材のものがベスト。
●陶磁器やガラスもいいが、なかには有害物質を含む粗悪なものもある。安物は気をつけて。
●金属は少しづつ削れて体内に入る。必要最小限に。
●プラスチックは、環境ホルモン(内分泌かく乱物質)として作用するものがあり、生殖機能をおかしくすることが明らかになっている。
●耐熱のシリコンゴムは、歴史が浅いので避けたほうがいい。
フッ素樹脂加工のフライパンや、金属の鍋
●フライパンに使われているフッ素樹脂加工については、さまざまな見解があります。疑わしきは使わない、のがいいと思います。
フッ素化合物は、分解されにくく環境残留性が高い物質として、欧米では使わない方向へ舵が切られました。近代日本は、世界で最も、「疑いがはっきりするまでは規制しない」「産業による富のほうが大事」という考え方をする国です。
●鍋はできるだけ土鍋・ホーロー・陶磁器。アルミ・ステンレス製はひかえめに。
電子レンジ、電子調理器具
♡土鍋でご飯を炊くのは、意外と簡単で、炊飯器より美味しい。
♡「非電化工房」という、電気を使わない家電を研究・販売しているところがあります。
不燃紙のお茶パック、カップ麺
●熱湯を注ぐと、環境ホルモンやマイクロプラスチックが溶けだします。
④飲み水、飲み薬
飲み水
●水道水より雨水、それより川の水、それより井戸水、それより湧き水のほうが 体にいい。
●川の水や井戸水も、農薬などが混じっていることがある。農薬ならまだ感覚でわかるが、放射能に汚染されていても人体にはわからない。
♡京田辺市で、冬のあいだ雨水タンクの水を飲んでいたことがありますが、水道水より美味しかったです。(人体の感覚で大丈夫と腹をくくった。)
♡京都府井手町の水源は、2か所の井戸水だそうです。冬に京田辺市から引っ越してきて、水道水おいしい!と思いました。気温が上がるとまずくなりました。水道水や、食堂で出す生野菜の消毒は、外気温により塩素濃度が決まっています。
飲み薬
●薬は「利器」ですが、効能と副作用があります。売る人や処方する人は、効能に重きをおいて説明します。
●薬には有効成分だけでなく、凝固剤などの添加物も入っています。精製度が高いものより、食品に近いものの方が自然です。西洋薬より漢方薬、漢方薬なら顆粒より生薬。サプリメントより食べもの。
●薬でなければ治せない体になる前に、質のよい食べものにお金をかけるべし。
慢性的な病気は、原因を引き算するのが、安くて早くて安全。薬に頼るのは対処療法で、自力で治る力が下がる。